優先順位が変われば未来が変わる

LIFEVISIONニュースレター「縁」vol.9 2026年7月号掲載

車山高原

投資の話をしているときによく、「投資に失敗はつきものですし、分散も大切ですよね」という言葉を耳にします。

一般論としては正しいと思います。

ただ、詳しく話を伺ってみると、その方の「失敗のしかた」や「分散のしかた」に疑問を感じることがあります。

たとえば、長年コツコツ積み立ててきた堅実な資産がある一方で、実態のよく分からない新しい話に「面白そうだから」「増えそうだから」という理由で資金を投じてしまっているケースです。

ご本人は「失敗はつきもの」「分散しているから大丈夫」と考えておられますが、よく見ると、投資と投機の境界が曖昧になっていることがあります。

本来、「失敗はつきもの」とは、資産額が増える日も減る日もあることも受け入れながら計画に沿って続けていく姿勢を指します。 決して、「よく分からないものに手を出してしまったけれど、仕方ない」と自分を納得させるための言葉ではありません。

「分散」も同じです。
本来の分散とは、株式や債券、地域や通貨など、信頼できる資産を組み合わせて、全体として大きく崩れにくくする工夫です。値動きが激しく、失う可能性が高いものを「少しだけなら」とポートフォリオに加えることは、本来の分散とは違います。 
「長く持つから長期投資」とも限りません。どこからリターンが生まれるのか、その資産の値動きやリスクは、ご自身の計画に合っているのか。 その「中身」まで考えてはじめて、長期投資と言えるのだと思います。

人の心理として「新しいものに乗り遅れたくない」という、自然な気持ちが前に出ることもあります。ニュースやSNS、知人から「これが伸びている」と聞くと、「今のうちに」と不安や期待が先に立ち、「早く動けている感覚」を先見力と勘違いしがちです。

その結果、本来の計画や判断基準よりも、周りの空気や話題性を優先してしまいます。

本来は「大切な資産を守り育てること」が目的だったはずなのに、「話題に乗り遅れないこと」が、いつのまにか優先され、目的と手段の順番が入れ替わってしまうのです。

優先順位とは、何を大切にしているかという価値観の「順番」のことです。

大きな一発よりも、計画に沿った着実な一歩を。

短期の結果よりも、目的に沿った長期の成長を大切に。

その判断基準を静かに、そして確かに守り続けることが、ご自身と大切なご家族の未来を育てる一番の近道だと感じています。

優先順位が変われば、未来も変わります。
あなたの優先順位は、今どこにあるでしょうか。